煎茶の楽しみ

尾形月耕「煎茶会」(明治26年)
 
煎茶趣味の楽しみ 創作、自己表現

日常茶飯の飲茶を今日のような文化に仕立てた先人の知恵には驚嘆する。文人たちの趣味から始まった煎茶は創作の世界であり、自己表現の時空であった。煎茶席は敷物の選択、道具組みとその配置、席飾りのアレンジという空間デザインとその空間において淹茶者の所作の展開という身体表現との総合芸術であり、また交際文化でもある。T.P.Oに合わせて演出するのは、大変楽しいことである。( 掲載されている茶莚、点前は前副理事長植木逕窈先生の創作です )